penguの事例
オムロンアミューズメント株式会社
人事部はなぜ、
データ集計の自動化に踏み切ったのか。
オムロンアミューズメント株式会社は、アミューズメント業界およびエンターテインメント業界向け機器の開発・生産・販売を業務とし、人事情報グループでは労務管理を中心にデータ収集・集計のやり方を大きく変革しようとしています。広く「人」に関わる人事の業務が、データ集計の自動化によってどう変わるのか、取り組みと成果をレポートします。
- 業種:
- 電気機器
- 事業規模:
- 169名
- 部門:
- 人事部門

- オムロン株式会社 エレクトロニック&メカニカル コンポーネンツビジネスカンパニー 企画室 人事総務部 中部G
- 近藤 貴嗣(兼務:オムロン アミューズメント株式会社 企画管理部 人事情報グループ)
課題
- データ加工作業に時間を費やし、
考える時間が取れない - 4社分の膨大なデータ処理にパソコンのCPUが
圧迫され、作業に手間がかかる - 法律や会社の制度が変わるたびに
データの追加が大変 - 過重労働を回避する上で、
一層の労働時間管理が基本
解 決
- データ加工時間を大幅に削減し、集計したデータを
もとに事案を検討する時間が生まれた - 迅速なデータ集計をクラウド環境で行えて、
計算中も他のパソコン業務が可能 - 自分で業務フローを作って
制度的な変化にすばやく対応 - 担当者の手間を省きつつ、
効果的な労働時間管理を実現
活用の背景
カンパニー全体でデータ処理量が10倍増に。
とにかく手間がかかるの一言に尽きる。
とにかく手間がかかるの一言に尽きる。
人事部門の仕事のひとつとして日常的な労務管理を中心に、多くのデータを処理することがあります。オムロンアミューズメント株式会社でそれらの業務を担う人事情報グループの近藤は、勤怠管理システムを使って行なっていましたが、急遽、膨大なデータを処理するケースが発生したそうです。
「同じカンパニーに所属する4法人分をまとめて扱うことになりました。勤怠管理システムの仕様により日次データを集計しなければなりませんが、対象が2,000名近いためデータ量は最大で約60,000行になります。通常のExcelを使った計算ですとパソコンのCPUに大きな負荷がかかります。この待ち時間がもったいない。時間だけでなく、パソコンのCPUが占有されて他の業務もできませんから、何か手を打たなければと感じていました」。
また、各部門における働き方を管理する上でも、データ処理の効率化を考えていたとグループ長の奥野は話します。
「20年ほど前から過重労働をなくそうという社会の気運が高まる中、企業としてしっかりと労働時間を管理することが基本です。正確なデータ管理を行うことで各部門の働き方にも目が行き届きますが、労務管理する担当者に負荷はかけたくありません。ツールによる時間短縮はずっとやりたかったことです」。
活用法とサポート
プログラミングできなくても大丈夫。
4本の業務フローを自分で作成。
4本の業務フローを自分で作成。
オムロンのデータ集計ツールSUISUIETL※は、データを扱うあらゆる部署の人にとって使いやすいように開発されたものです。それでも、専門的な新しいツールを活用するにあたって不安はなかったのでしょうか。
「Excelのマクロは作れなくても、使える、作れることが大きいですね。Excelファイルから他のExcelファイルへのデータ移動を図示すればできるので、誰でもとっつきやすいです。加えて、ポータルサイトが情報量豊富で役立ちました。私は集計する目的が明確でしたので、自分が作りたい業務フローに近いサンプルを見つけて、機能の動きを確かめたり、理解を深めたりしました。これまでに所定外時間の年次・月次集計、超勤アラート、日次超勤推移、評価データの結合、4つの中心的な業務フローを作りました。普段からアイデアをメモ・蓄積しておいて、時間のゆとりができたときに作り込みをしています」(近藤)
近藤のように、業務をより良くしていくために業務フローを自分で作ることの意義はどこにあるのか、あらためて聞いてみました。
「労務管理に関しては、労働基準法などの法律や、会社の制度の変遷に伴い、管理する項目や内容が増えていきます。自分でSUISUIETLを扱えれば、その都度管理項目を増やしながら対応できます。私にはSUISUIETLを使わない理由がありません」(近藤)
※SUISUIETL:自律型業務改善サービスの基本機能の一つであるデータ集計自動化機能。定型のExcelベースでのデータ集計作業を図示、設定することで自動化を実現できるソフトウェアの総称。
成果と改善
データ集計に費やす時間を大幅に削減。
課題に知恵を絞る時間ができた。
課題に知恵を絞る時間ができた。

オムロン株式会社 エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニー 企画室 人事総務部 中部G
グループ長 奥野 秀司(兼務:オムロン アミューズメント株式会社企画管理部 人事情報グループ グループ長)
SUISUIETLが提供する価値は明快で、膨大な量のデータ処理を圧倒的なスピードで行い、削減された時間を新たな価値創造に充てていただこうというものです。日々使う立場からの印象を聞いてみました。
「とにかく計算が速く、従来はEXCELで1時間から1時間半かかっていたものが、5分か10分で完了します。1カ月分の勤怠データをまとめる毎月20日には、相当な量のデータを処理します。従来は他のことに手がつかないほど時間を取られていましたから、この差は大きな意味を持ちます。データ集計した結果をもとに、どういった課題があり、どう解決すべきか知恵を絞ることに時間を注げるようになりました」(近藤)
労務管理の本来の仕事とは、データ加工することではなく、加工した結果から何を読み取って何をすべきか考えることであり、近藤はSUISUIETLを活用してその配分を大きく変えました。さらに、カンパニー全体にも貢献していると奥野が説明します。
「従来は4社の担当者が各自行なっていた労務管理作業を1カ所に集約・完結できるということは、単純に1/4まで効率化が図れているわけです。そして、4社を同じように行動時間管理し、部下に対して指導もできますから、グループパワーの原動力にもなっていると言えます。活用次第でSUISUIETLの効果はさらに広がると思います」(奥野)
今後の展望
SUISUIETLを使える人、作れる人を増やして、
楽に業務をこなす意識を浸透させたい。
楽に業務をこなす意識を浸透させたい。
現在、カンパニー4社の人事情報グループでSUISUIETLの業務フローを作れるのは近藤1名ですが、業務フローを使える社員が1名いるとのこと。「私が作成した業務フローを実行するメンバーで、作ると使うを役割分担しています。次の目標は、作る人を数名育て、一人でも多くの社員が使えるようにすること。手間のかかる仕事がここまで簡単になる!という実感は、より多くの人が得た方がいいですから。その気づきを植え付けていくことが重要だと考えます」(近藤)
製造業がグローバル競争を勝ち抜くために、生産性向上と適正な働き方を両立させる人事のミッションは重要です。オムロンは自律型業務改善サービスを通して共に走り続けてまいります