penguの事例
センコー株式会社
物流の現場を、
属人化から自動化へ
人材不足や、それに伴う長時間労働を課題として抱える物流業界。なかでも、商品の保管・配送機能に加え、さまざまな情報処理業務を受け持つPDセンターでは、業務効率化が喫緊の改善テーマとなっています。センコー様の阪神主管支店尼崎センターでは、属人化している配達要件など、年間で膨大な時間と手間を取られていた業務にpenguを導入。物流の現場は、なぜ自動化を必要としたのか。いかにして自動化を実現したのか。3名のキーマンによる取り組みをご紹介します。
- 業種:
- 物流サービス
- 事業規模:
- 4,045名
- 部門:
- 物流部門

課題
- 業務が複雑化して
特定の人しかできない仕事が増えていた - 属人化している配達要件では、
年間480時間かけて手作業で行っていた - 手作業による入力ミスで、
月に1回ほど誤出荷が発生していた
解 決
- pengu導入により属人化を解消
- SUISUI RPAで自動化し、1日約3時間削減
- 人為的ミスが今では0件
導入の背景と経緯
「複雑化、属人化するPDセンターの業務を改善したい」
自分たちで自動化を図れるpenguに活路を見出す。
自分たちで自動化を図れるpenguに活路を見出す。
物流のPDセンターの業務は、以前に比べて複雑になり、属人化しています。尼崎PDセンター所長の窪田氏は「私どもでは複数の荷主様を担当していて、それぞれ依頼の内容が異なります。一つひとつの仕事に細かな手順が指定されており、取り扱う商品も数万点に及びますから、その仕事を受け持つ者が不在の時に、他の者が簡単に引き継げないのが現状でした。業務を単純化、標準化していくことは、是非着手したい課題だったのです」と語ります。
属人化している配達要件として真っ先に挙げられるのは、内需出荷の書き換え業務と補充リストの出力業務がありました。「課題解決の方法を模索している時に、オムロンさんから提案されたのがpenguでした。驚きだったのは、人任せでやってもらうのではなくて、自分たちで操作フローを作り、自動化していく点でした。早速皆に声がけして、日々の業務で自動化できそうなことを挙げてもらい、pengu活用による効果を見込んでいき、これは使ってみる価値あり!と腹落ちしました」と振り返るのは、主任の福田氏です。
penguを使う担当者として白羽の矢が立ったのが、松村氏でした。スタート業務をはじめ業務全般への信頼が厚いこと、新しいことにチャレンジする姿勢に加え、コミュニケーション力を買われてのことでした。「こうしたツールは一人が使えれば良しではなくて、他のメンバーも巻き込んでいくことが必要だと考えます。手順書を整理して周囲にわかりやすく伝える松村の姿をいつも見ていますから、任せられると思ったのです」と福田氏。
所長の窪田氏は「今回の導入で成果を出せれば、営業所全体の業務にも広げていけるという読みもありました。アナログな作業の多いPDセンターは課題が山積していますから」と言います。こうして、優先順位の高い業務からpenguを導入し、尼崎PDセンター様のDX化が動き始めました。
ココを自動化!
手順の複雑な「属人化している 配達要件」をRPAで自動転記して 時間とミスを大幅に削減。
伴走と自走
■大きな効果が期待できる「属人化している配達要件」の操作フローを、オムロンSEのサポートを受けながら作成した。
■RPAで利用するExcel関数についても、タイムリーかつ適切にフォローしてもらい、フローを作るうえで非常に助かった。
■「補充リストの出力業務」「各種データ抽出・送付」等の操作フローを自走で作成。ポイントはまず自分で作ってみることで、随時アドバイスを受けながら完成し、自信につながった。
活用による効果
時間削減、ミス撲滅、多能工化、働き方改善。
自動化が生み出す効果は想定以上。
自動化が生み出す効果は想定以上。

センコー株式会社 阪神主管支店 尼崎PDセンター
(左から)所長 窪田 竜太郎 氏、主任 福田 直人 氏、松村 萌 氏
SUISUIRPAの導入による効果を現場ではどう実感しているのでしょうか。「今まで手入力していた作業がほぼ全て自動化されて、時間が大幅に削減されました。人数をかけ、定時を超えて行っていた作業がなくなり、残業がグンと減りました。出荷データの送り忘れや遅れがなくなったことも大きいです」と松村氏。RPAを身に付けた松村氏は、SUISUIOCR/ETLの修得に もチャレンジするとのこと。次は、OCRを使って納品請求書の自動化を計画しているそうです。
松村氏の上長である福田氏も「現在のルーチン業務を社員からパートさんにどんどん渡していく当センターの流れのなかで、自動化によって時間を生み出せるようになりました。社員一人ひとりを多能工化する時間に充てたり、penguによる操作フローのノウハウを松村が計画立ててメンバーに展開したり、有意義に使えています」と効果を実感しています。
また、センター全体の鳥瞰的な視点から、窪田氏は社員の意識改革についても言及します。「働き方改革が進みづらかった物流において、自動化は一石を投じると思います。今は定められた時間内で仕事を終えて、プライベートも充実させる時代。労働環境を改善することで、より良い仕事につながりますし、そうした意識が一人ひとりに芽生えつつあります」。
今後の展望
1拠点展開の確実な実績を作り、
全国・全社的なDX化へとつなげていきたい。
全国・全社的なDX化へとつなげていきたい。
尼崎PDセンター様で大きな実を結びつつある自動化への取り組み。窪田氏は「当センターのある阪神主管支店には営業所が複数あり、ここと同様に属人的な手作業による業務が多くあることが課題です。まずは一拠点で着実にDX化の実績を作りたいと考えています。一方で本社主導のDX推進部があり、そこから当センター、当支店の取り組みを吸い上げてもらって全国展開することも視野に入れています。その意味でも確実に成果を上げることが求められていると思います」と語ります。
そして、現場を司る立場から、「競争激化のこの時代、チャレンジすることに価値があり、そこにDX化の意義があると感じています。トップダウンの指示を待つだけでなく、現場からアクションを起こしていくことが大事だと思いますし、penguは現場の想いを実現するために最適なツールだと思います」と福田氏。
人材不足、労働環境といったさまざまな課題を、DX化によって解決し、新たなステージへ向かう物流業界。チーム一丸となって改善へと立ち向かう企業様と、オムロンはpenguを通して共に走り続けます。