penguの事例
公益財団法人 豊田地域医療センター
医療の現場に、
革新をもたらすDX。
豊田地域医療センター様は、地域の方々に開かれた病院として、医療・保健・福祉を通して健康で生きがいのある生活を支援しています。特に、団塊の世代が後期高齢を迎えて、在宅医療の需要がますます増える中、業務のDX化による効率向上は喫緊の課題です。管理、医事、現場、医師、医工連携のスペシャリストなどさまざまなお立場から、pengu導入によって目指す医療の姿や、これからの地域医療に懸ける想いについて語っていただきました。医療従事者の両肩にかかる作業負担の改善に向けた取り組みをご紹介します。
- 業種:
- 医療業
- 事業規模:
- 190床
- 部門:
- 在宅医療支援部門

- 公益財団法人 豊田地域医療センター
- (前列左から)管理課 課長 今川氏、医事課 係長 森脇氏、在宅医療支援センター 佐伯氏
- (後列左から)事務長 鈴木氏、在宅医療支援センター センター長 近藤氏、次長 神部氏、古川氏 、藤田医科大学 医療科学部 臨床医工学分野 医療准教授 西垣先生
課題
- 病院内には細かなアナログ作業が多くあり、
他の重要な業務を圧迫していた - IT導入は属人化しやすく、
現場での運用が困難だった - 間接業務を削減して、
患者さんのより良いケアにつなげたい
解 決
- SUISUI RPAで
全工程を自動化して、2時間/日削減 - penguはノーコードで運用できるので、
現場主導のDX推進が可能 - 創出された時間が、
健全な働き方と患者さん対応の質向上に貢献
導入の背景と経緯
「人の手が足りない、ITスキルを身に付ける時間もない」
医療の現場で求められるDXツールとは?
医療の現場で求められるDXツールとは?

豊田地域医療センター様の在宅医療支援センターでは、訪問診療・看護・リハビリを提供していますが、在宅ならではの柔軟な対応が求められます。神部氏は「患者さんの状態が変化するなど、在宅医療の予定は常に変わります。朝のわずかな時間で、薬局への日別リストを作らなければなりません。人手不足の中、業務はひっ迫しています」と問題提議します。
医事課 の森脇氏は「これまで人の手でやってきた事務作業が労働人口の減少によってオーバーフローしており、まさにDX化が求められています。しかし、いざDX化しようにも高度に複雑化したツールの操作を修得することは、ITスキルがなければ難しいという問題があります」と語ります。
導入に立ちはだかるもう一つの壁は、医療現場特有の業務の細分化です。森脇氏が続けます。「セキュリティの関係上、部署ごとにさまざまなアプリケーションを使っています。業務が部署ごとに細分化されていて、全社システムが導入しづらく、結果、人力対応に頼りがちです」。

管理課の今川氏は「500床を超える大学病院などには専門のIT管理課がありますが、それ以外の病院では担当者が通常業務と兼務しなければなりません。ですから、現場での困りごとを現場主導で解決に導いてくれるpenguは待ち望んでいたツールです。」と語ります。
細かいアナログ定型作業を自動化し、その分、人の手を患者さんのより良いケアにつなげていくために、在宅医療支援センターのDX化が始動しました。次は、その活用と効果に迫ります。
ココを自動化!
多忙な事務職から、パソコンに向かう2時間/日(年間500時間超)を解放し、
他の業務に従事できる時間を創出。
他の業務に従事できる時間を創出。
教育と修得
penguは属人化の壁を超えて、誰でもすぐに使える。



penguの修得について、神部氏にポイントを聞きました。「UIが直感的で、初めての職員でもすぐに使えます。シナリオを見るだけで業務を引き継げるのが特長です」。簡便さという観点から、今川氏も「以前、プログラミングが必要なツールを導入したところ、構築した人しか触れない、という属人化で苦労した経験があります」とのこと。森脇氏も「pengu導入の数年前に別のRPA導入を検討したことがありましたが、プログラミングに近い難しさで、現場に拡げられるイメージが湧きづらかったです。penguの簡単さと充実したサポート体制を見て、これならいける!と実感しました」と振り返ります。
実際にpenguを使っている現場の担当者の方の声を紹介します。
■今まで手作業だった全ての工程が自動化されて、時間が大幅に削減されました(1日約2時間の削減)。ノーコードでシナリオを書くことができるため、抵抗感なく使える点が良いです(古川氏)
■ITの知識がほとんどない状態からのスタートでしたが、最初に4時間ほどSEの方からマンツーマンでレクチャーを受けて、理解が進みました。今では、どの業務をどう自動化できるかシナリオがイメージできるようになりました(佐伯氏)
こうした声を聞き、「penguの活用によって何時間生み出せたか、楽しく競うことで、さらに相乗効果が上がります。時間の創出は売上げと同じですから、そこを評価するところまでいけると、導入した意義はさらに高まります」と西垣先生も期待を膨らませます。
活用による効果
移管される側の時間的余裕も創出する。
真のタスクシフトには、誰もが使えるDXが必要。
真のタスクシフトには、誰もが使えるDXが必要。

西垣先生は医療の動向におけるDXの役割についても言及します。「今、医療の現場でタスクシフトが進んでいますが、penguはそこでも効果を発揮するのではないでしょうか。業務の自動化によって時間を創出した上で、医師の業務を移管することで、医療の質も向上させられますし、働き方改善にも寄与します」
タスクシフトについて、コミュニティドクターの立場からはどう捉えているのでしょうか。積極的にDX化を推進する近藤先生は「医師・看護師は患者さんに向き合う時間を増やすために、事務作業を減らしていきたいというのが本音です。DXの活用によって事務作業時間を減らすことは、患者さんに寄り添う医療の質向上につながります」と語ります。
今後の展望
より多くの業務にpenguを活用して、
豊田地域医療センター及び、医療業界を元気に。
豊田地域医療センター及び、医療業界を元気に。

在宅医療支援センターを皮切りに、病院内での横展開を目指す自動化への取り組み。森脇氏は「次は看護部への導入を計画しています。事務作業を減らすことで患者さんへのサービスにもっと時間を注ぐきっかけになりますし、看護師のやりがい向上など工数削減だけでは計れない効果があると思います」と抱負を語ります。今川氏も「何十台ものパソコンでpenguを活用するようになれば、いろいろな可能性が広がります」と確信しています。
また、森脇氏と佐伯氏から「看護部への導入に向けて、“このパソコンはpengu作動中”と目印になるようなpenguのぬいぐるみを置いたりすると楽しく活用できると思います」という声が上がりました。さらに、西垣先生と近藤先生からは「どの業務にpenguを使ってどんな効果が出たのか、さまざまな医療機関向けの事例集などを活用して、penguで医療を元気にするきっかけにしたい」という指針が示されました。
さらに、西垣先生は、 臨床工学技士としての立場から 「RPAだけでなく、OCRがあることで、紙帳票にも対応できることに着目しています。例えば災害時‧停電時は膨大な紙ベースの作業にならざるを得ませんが、OCR+RPAがあれば復旧後のシステムの転記を人手に頼らないといった使い方もできます」と期待を寄せます。
人材不足、業務過多といった医療業界が抱える課題に対し、現場主導のDXによって解決への着実な一歩を踏み出した豊田地域医療センター様。オムロンは、penguを通じて医療の現場に伴走し、医療の未来を支えていきます。